シドクリ通信第117号
【スマホの功罪】
スマホは現代社会において最高の発明であるが、もしかすると最悪の発明かも知れない(びーやま)
私が初めてスマホを手にしたのは6年前のことです。それまでは人に揶揄されながらもガラケーを使っていたのですが、ある時ガラケーの会社から連絡があり、「当社のガラケーは販売終了になるので、スマホに変えたらいかがですか?今なら無料で変えて差し上げますよ」と言われたので、そうすることにしたのです。
スマホにして良かったことはLINEが使えるようになったことと、出先で調べ物をしたい時に便利になったことです。SNSやゲームはやらないので、当初は宝の持ち腐れでした。しかし、そのうちにマイナンバーカードやパスポートの申請をスマホで行いました。大阪万博に至ってはスマホがないと入場すらできませんでした。今は飛行機に乗る時や予約した映画館に入場する時など、スマホ上のQRコードを機械にかざして入場しています。
地震の直前にはスマホから警告音(緊急地震速報)が鳴ります。地震を予知して鳴るのですが、この音は心臓に悪いです。鳴っても予測が外れることもあり、そうなると便利なのか不便なのか。
この春、注目を集めた京都府南丹市の児童殺傷・遺棄事件。この事件報道を見ていると、スマホの検索履歴やGPS機能、さらに車のドライブレコーダーやカーナビ、町中に設置されている防犯カメラなどが犯人の割り出しや行動を探るのに役立ったというのです。私たちを取り巻く精密機器類の驚異的な進歩に驚く反面、そんな目的で購入したつもりでもないスマホやドライブレコーダーの情報が犯罪捜査に使われることに恐ろしさも感じるのです。
一方、スマホの負の側面(有害性)にも目が離せません。スマホ依存、スマホいじめ、ながらスマホ、スマホ犯罪、闇バイト、トクリュウなど、精神医学、学校教育、新手の犯罪まで絡んだ課題が山積してきています。
世の中、急激に変わってきました。人の心を扱う精神医療も変わることを余儀なくされています。しかし、私は40年以上この仕事をやっていますが、人の心がそんなに変わったとも思えません。私は開業以来、診察日や診察時間、物の配置などを変えずにやってきました。20年ぶりくらいに受診される患者さんがいますが、クリニックに入って変わっていないことに安心し、私の顔を見ただけで半分治ってしまうようです。変わらないことの大切さを思います。
スマホの話に戻りましょう。最近、海外では未成年者に関するSNS制限のニュースが話題になっています。便利さと危険性は表裏一体です。便利過ぎる道具は危険を伴います。普通の人間がついていけるスピードで、ゆっくり進んでほしいものです。
【映画・廃用身(はいようしん)について】
話題の映画「廃用身」を見ました。廃用身(脳梗塞等で麻痺した四肢)を不要物として切り落とす治療である「Aケア」(Aとはamputataion、切断)をテーマにした作品です。詳細を書くのは控えますが、静かで恐ろしい映画です。
実は原作者の久坂部羊(くさかべよう)氏は大使館時代の知人で、彼と私は同時期に中東に勤務していました。元々日本で外科医をしていたのですが、何を思ったか外務省に入省し、帰国後、高齢者医療や在宅医療の道に進みました。そして診療の傍ら小説を書き出し、今や医師作家として売れっ子になりました。
話題作を多数発表し、とうとうデビュー作「廃用身」の映画化に至りました。人間としての尊厳や介護のあり方について、いろいろ考えさせられる作品です。病気や老い、死といった現実を生々しく描いていますので、是非ご覧になってください。
実は廃用身のパンフレットがまた凄いのです。封筒の中にはパンフレットの冊子と一緒に、複数の患者のカルテ、Aケア適応基準表・同意書、遺書などが同封されています。そして、ネット上には舞台になった(実在しない)「異人坂クリニック」のホームページまで公開されているのです。受診希望の方は、予約してから行かれてください。予約は取りにくいと思いますが。。。
【医療保険による心理カウンセリング】
令和8年度診療報酬改定に伴い、当院での心理カウンセリングを医療保険でも実施することにしました。ただし、以下の条件があります。
〇通院・在宅精神療法の心理支援加算として280点が掛かります。
〇月2回まで算定可能です。
〇初回算定日の属する月から起算して2年間を限度とします。
〇対象患者は心理に関する支援を要する神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害(F4)の患者さんです。
〇対面により30分を実施します。
〇精神科を担当する医師が通院・在宅精神療法を実施した月の別日に当該支援を実施した場合においても算定できます。
(注)医療保険による心理カウンセリングは、佐多公認心理師(月)と小丸公認心理師(金)が担当します。自己負担額は、例えば3割負担の方が、通院・在宅精神療法の心理支援加算を希望する場合、280☓10☓0.3=840円となります。
ご希望の方は医師にご相談ください。
【文書料改定のお知らせ】
皆様の負担を軽減すべく文書料の改定を見送って参りましたが、時局に鑑みて、令和8年8月1日より12年ぶりに文書料の改定を行うことに致しました。皆さまにはご負担をおかけしますが、何卒ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。料金一覧は待合室に掲示してあります。
【お知らせ】
・ADHD治療薬であるコンサータの供給困難が続いています。当院としては今まで通り調剤薬局での在庫状況を確認し、入庫の促しを進めて参ります。
・8月24日(月)から29日(土)まで、夏季休診とさせていただきます。

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