シドクリ通信

2020/05/09

【新型コロナウイルス】

 新型コロナウイルス感染症に対し、今まで各国が取ってきた対策は、国境封鎖、在宅勤務、生活必需品などの買い物を除く外出制限、検査体制の強化、病床数の拡大などとなっています。一方、わが国が取っている対策は、政府要請による自粛(不要不急の外出自粛、全国一斉臨時休校)、専門家によるクラスター対策、厚労省・自治体・医師会による医療体制・隔離施設の確保などが上げられます。現在、感染症を扱っている病院は、患者数の増大や多発する院内感染で医療崩壊に瀕しています。4月7日には、法律に基づく「緊急事態宣言」が発出され、16日にはそ...

2020/02/10

【適切な相談窓口を見つける難しさ】

 精神保健福祉士の山田です。先日、NPO法人メンタルコミュニケーションリサーチの研修会で支援の話をする機会がありました。この団体は、主に心理職や心理学生で構成されていて、不登校やひきこもりなど若年者への訪問支援や家族相談をおこなっています。そこでは、ソーシャルワークの視点から、ひきこもり支援に活用できる社会資源についてお話しました。対人援助職も様々であり、他の職種の業務内容や専門性は意外と知りません。今や「多職種連携」が支援の合言葉になっていますが、闇雲に繋がるだけでは余計に混乱してしまいます。まず...

2019/11/11

【公認心理師】

 皆さま、こんにちは。当院の臨床心理士の深谷です。

 2018年9月に第1回公認心理師試験が行われ、初めて公認心理師が誕生しました。第1回公認心理師試験では35,020人が受験し、27,876人が合格しました。2019年9月に行われた第2回公認心理師試験では、16,949人が受験し、7,864人が合格しています。合計すると35,740人の合格者がいる状況になりました。

 公認心理師は、国民の心の健康問題に対して、他の関係者とも連携しながら心理に関する支援を行う国家資格です。公認心理師が行う業務は、「保健医療、福祉、教育その...

2019/08/10

【カジノとギャンブル依存症】

 横浜市にカジノができるという噂があります。わが国は2016年12月にIR推進法ができましたが、横浜市はIR施設誘致に活発な自治体であると言われています。IRとはIntegrated Resort(統合型リゾート)の意味で、カジノを中心に宿泊施設、テーマパーク、商業施設などを一体的に整備するリゾートのことです。候補地に上がっている場所は再開発が予定されている山下埠頭。ここは羽田空港にも近く、国際的な雰囲気があって、カジノの誘致に適しているそうです。これに対して、神奈川県精神神経科診療所協会はカジノ誘致に反...

2019/05/10

【中西進先生と令和】

 いよいよ「令和」を迎えました。「令和」の考案者として、文化勲章受章者で万葉学者の中西進先生の名前が上げられています。先生は明確な回答を控えていますが、どうやらこの報道は確かなようです。

 40年以上も前の話ですが、私が浪人中に通っていた都内の予備校で現代文を教えていたのが中西進先生です。挫折感に打ちのめされていた私たち浪人生に対し、先生は穏やかな口調で学問の楽しさを説いてくれました。受験テクニックを学ぶのが目的の予備校で、先生は文化の香り漂う格調高い授業をされました。私は先生の言葉を一言も聴き漏らすまいと授業に臨...

2019/02/08

【はじめに】

 あけましておめでとうございます。

 年が明け、平成の終わりが近づいてきました。皆さまにとって、平成とはどんな時代だったのでしょうか。

 私はこの地に開業して22年、精神科診療所としてそれなりにやってきたと思います。地域連携を重視しながら自分の身の丈に合った医療を行ってきました。反省することも多々ありますが、地域に対して一定の医療サービスは提供できたと考えています。

 本号は平成最後のシドクリ通信となります。来たる時代は何が待ち受けているのか、まったく想像もつきません。皆さまの新時代の平安をお祈りしたいと思います。

【Find...

2018/11/10

【わが国の高齢化と介護保険】 精神保健福祉士 山田

 平成29年10月1日現在、日本の総人口は1億2,671万人。そのうち65歳以上は3,515万人で、総人口に占める割合は27.7%。これは世界で最も高い高齢化率です。以前はサザエさんに見るような三世代世帯が多く、昭和55年では全体の半数を占めていました。これが平成28年になると、夫婦のみの世帯が一番多く約3割を占め、単独世帯と合わせると半数を超える状況になりました。

 高齢化と家族構造の変化から、高齢者を社会全体で支え合う仕組みが求められるようになり、平成12年4月に介護保険法がスター...

2018/08/06

【私宅監置の話】

 『夜明け前 呉秀三と無名の精神障害者の100年』 という映画を見ました。日本精神衛生会と、きょうされん(旧称:共同作業所全国連絡会)の40周年提携事業として制作されたドキュメンタリーです。席を予約して出かけた会場のミニシアターは満席で、何人かの精神科医の知人の姿も見かけました。

 東京帝国大学の呉秀三(くれしゅうぞう)教授は、1901年に留学から帰国後、精神病者の私宅監置(自宅の一室や物置小屋の一角などに専用の部屋を作り、精神障害者を監置するいわゆる「座敷牢」のこと)を定める精神病者監護法を廃止し、患者を病院で見る精...

2018/05/15

【公認心理師について】

 みなさんこんにちは。当院臨床心理士の深谷です。すっかり暖かくなってきて気持ちよい日が続いていますね。

 世間でも話題になっているように、心理の国家資格として『公認心理師』が認められます。公認心理師資格によって、心理士の様々な体制が変わっていくことが予想されますが、私が個人的に期待しているのは公認心理師のカウンセリングに診療報酬が加算されることです。医療機関や民間機関でのカウンセリングの相場は、自費で1回7,000円~10,000円前後となっている印象です。高額になるため、誰もが継続して受けることができるわけでは...

2018/02/07

【子どもの貧困】

 前号では“子どものうつ病”について書きましたので、本号では“子どもの貧困”について書いてみたいと思います。

 近年、子どもをめぐる生活環境が変化し、わが国は7人に1人の子どもが貧困状態にあると言われています。貧困というと、私たちはアフリカや北朝鮮の飢餓に瀕した人々を想像し、日本のどこが貧困なのかと思いますが、精神科臨床の場ではしばしば貧困を感じる場面に遭遇するのです。

 例えば給食費が払えない、就学旅行に行けない、奨学金をもらって学校に通っている、家計を支えるためのアルバイトをしている、親の帰りが遅いので子どもたちだけ...

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