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シドクリ通信第116号

  • 3 時間前
  • 読了時間: 5分

【新宿区はどんな町ですか?】

 ChatGPTに上記の質問をしたら、以下の回答がありました。

・日本最大のターミナル都市

・ビジネスと行政の中心

・昼と夜とで顔が異なる

・単身所帯が多い

・多文化・多国籍の町

・秩序と混沌、成功と挫折、日常と非日常

 私は平成9年1月に新宿区高田馬場で精神科診療所を開業しました。ChatGPTに尋ねるまでもなく、新宿区は多様性に富んだ町で、ここで精神科診療所を開業したら面白いだろうと思いました。研修医時代から新宿区の病院で働いていましたので、新宿区には馴染みがありました。開業するに当たり、区内をあちこち歩き回り、四谷、大久保、高田馬場に手頃な物件を見つけたのですが、結果的に高田馬場1丁目の新築の「みかどビル」にご縁をいただきました。日本点字図書館の近くで、障害者に優しい町というのも気に入りました。

 開業して間もなく、私は医師会と精神神経科診療所協会に入会しました。これらの会は勤務医時代には無縁でしたが、会を通して新宿区内の精神科や他科の先生方と知り合い、地域連携が徐々に始まりました。また、当時の新宿保健所からデイケア担当医を、新宿区教育委員会から区立中学校の精神科学校医を任命され、行政や学校との連携も始まりました。ちなみに精神科学校医は29年経った今でも継続しています。続いて、区内の作業所から嘱託医を依頼され、現在はA型及びB型事業所の嘱託医と、B型事業所を運営する「社会福祉法人・結の会」の理事を務めています。

 開業当初は地域連携を意識していたわけではなかったのですが、地域の中で一人の精神科医にできることは限られていますので、自然発生的に当院が地域のネットワークの中に巻き込まれていったものと考えています。

 当初は医師1人、事務2人、臨床心理士2人(交代制)という態勢で始めましたが、円滑な地域連携を図るには精神保健福祉士の存在が不可欠であると考え、開業7年後の平成16年から精神保健福祉士(現在は山田ワーカー)を置いて精神科診療所としての連携機能は格段に高まったものと思います。

 

【新宿区と当院のまとめ】

 ここで新宿区についてまとめてみます。新宿区は人口35万5千人、昼夜間人口比率は227%、外国人割合は14.5%(23区中で1位)です。単身所帯割合は67.8%で23区中2位です。すなわち新宿区の特徴を一言で申すならば、『一人暮らしと外国人の町』ということになります。新宿駅を中心に交通網が集中しているので、当院の患者さんは近くの医療機関や行政機関から紹介されてくる区周辺の人たちと、都内全域や他県(埼玉、神奈川、千葉)からの紹介患者さん、自分でネット情報等を調べて受診してくる患者さんもいて、地域と広域の患者さんが混在していることが特徴です。

 当院の生活保護率は20.5%と高く、新宿区民が圧倒的に多いのですが、近隣の中野区、豊島区の人も一部存在します。外国人割合の高さを反映し日本語学校が多数存在していますが、筆者はそのうちの1校から校医を依頼されていたことがあります。

 

【イラン戦争について】

 話は変わりますが、現在、世界が注目しているイラン戦争について述べたいと思います。私は1988-1991年に中東の在ヨルダン日本大使館に医務官として勤務していましたが、当時の大使館員や出張者でイラン(ペルシャ)に出張や赴任の経験のある人の話を聞く機会が何度かありました。彼らの話によると、イラン人は礼儀正しく親切で、家族や友人を大切にし、社交的で情に厚い人が多いとのことでした。この点については、ヨルダンなどアラブ諸国の人たちの気質とも共通するところがありますが、“イラン人はアラブ人よりさらにwetで、日本人と性格が似ている”と言う人が多かったのです。どんな国なのか、私もイランに行ってみたいと思いましたが、その機会は訪れませんでした。

 以前、当院にイラン人の患者さんが通っていました。あちこちの精神科を回ったけど、イスラム教を理解してくれる精神科医に巡り合えず、探しに探して当院に辿り着いたという人です。彼が診察室に入ってくると、私は片言のアラビア語で「アッサラーム・アレイコム」(あなたに平安がありますように)と挨拶します。すると彼は「ワ・アレイコム・サラーム」(あなたにも平安がありますように)と返します。アラブ人やイラン人を診察する際には、紳士的な対応が必要です。しかし、イランはアラブではなくペルシャであり、イスラム教徒ですが、スンニー派とは異なるシーア派で、人々はペルシャ語を話しますが、正式の挨拶だけはイスラム教徒共通のアラビア語で行います。(なかなか複雑ですね。)

 アメリカとイスラエルは容赦なくイランを爆撃し、イランとの間で応酬合戦が続いています。イランは日本にとって重要な石油・天然ガスの供給源であり、1929年の日本とイランとの外交関係樹立以来、日本とは技術協力や文化交流を通じて良好な関係を築いてきました。2019年にはハメネイ師と安倍首相との首脳会談がテヘランで実現しています。平和憲法を抱き、武力も領土的野心も持たない被爆国日本は、今後も大国と中東諸国との橋渡し役の外交を地道に続けてほしいと願っています。

 

【お知らせ】

・最近の当院の混雑状況ですが、週の前半は比較的空いていますが、後半(金・土)は常に混んでいて、予約が取れないことも多くなってきました。金、土は基本的に新患を受けていません。来院日を選べる方は、週の前半をご検討ください。

・最近、ADHD治療薬であるコンサータの供給が困難になってきました。この薬は他に代替薬のない重要な薬ですので、調剤薬局への入庫の促しを進めて参ります。

 
 
 

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