シドクリ通信

シドクリ通信第88号

【中西進先生と令和】 いよいよ「令和」を迎えました。「令和」の考案者として、文化勲章受章者で万葉学者の中西進先生の名前が上げられています。先生は明確な回答を控えていますが、どうやらこの報道は確かなようです。 40年以上も前の話ですが、私が浪人中に通っていた都内の予備校で現代文を教えていたのが中西進先生です。挫折感に打ちのめされていた私たち浪人生に対し、先生は穏やかな口調で学問の楽しさを説いてくれました。受験テクニックを学ぶのが目的の予備校で、先生は文化の香り漂う格調高い授業をされました。私は先生の言葉を一言も聴き漏らすまいと授業に臨んだものです。今、思えば、あれほど立派な先生が予備校で教えていたことが信じられませんが、先生は「予備校で教えることは楽しい。なぜなら予備校の学生は熱心に聴いてくれるから」と仰っていました。 私は午前中、予備校で授業を受け、午後は近くの図書館に籠って自習する生活を一年間続け、医学部に合格しました。受験勉強で学んだ知識が、今の仕事や生活に役立っているとはまったく思えませんが、自主的に学ぶ姿勢はあの時代に養われたものと思っています。 当時から中西進先生が大学教授として万葉集の研究をされていることは有名でした。先生は最後の授業で「君たちの未来はこれからです。早くこのつまらない生活を終えて、大学で思う存分学問に励んでほしい。いろいろな学問がありますが、すべての学問の基礎は哲学です。どの分野に進んでも哲学だけは勉強してほしい」という話をされました。私は早速、大学の教養課程の選択科目で哲学を選択しましたが、哲学は休講続きで、最後にレポートを書いて単位を貰った記憶だ

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