シドクリ通信第82号
【学校メンタルヘルス学会の参加】
こんにちは。臨床心理士の深谷です。夏も終わり、すっかり秋ですね。今年の夏、私は『学校メンタルヘルス学会第21回大会』に参加しました。初めて参加させていただいたのですが、とても充実した内容で、勉強になりました。
今年の開催場所は北海道。北海道で知人と合流し、大会に参加した後は札幌巡りをしました。安くて美味しいご飯が食べられるお店から新鮮な魚が食べられるお店まで、色々と札幌を巡ってみました。珍しかったのは『ミルク村』というアイスにブランデーなどのお酒をかけて食べるお店です。アイスも食べ放題で、とても美味しかったので、北海道に行った時はぜひ寄ってみてください。本当に札幌はとても良いところですね。また行きたいですし、機会があれば住んでみたいです。
とはいえ、東京から北海道まで行くのに、片道3万円程かかります。往復6万円に加えてホテル代なんて支払ってしまえば、生活がだいぶ厳しくなってしまうので、かなり出費を抑えて行きました。ホテルは格安のカプセルホテルに連泊することにして、航空券は格安の片道8,000円の切符を買ったわけです。「何でこんなに安い航空券があるんだろう」と思っていたところ、現地でそれがよくわかりました。空港に夜遅く到着したため、空港から札幌駅までの電車がありませんでした。東京から北海道に着いた日はぎりぎり最終バスに駆け込んでホテルがある札幌まで行けたのですが、北海道から東京に帰った日は同じく到着時刻が深夜帯だったので羽田空港から自宅までの交通手段がなく、なんとか羽田空港を出て漫画喫茶で一夜を過ごしました。やっぱり格安には格安のわけがあるのですね。料金を最優先する気持ちで割り切る方が楽だったかもしれません。もう懲り懲りではありますが、やっぱり出費は抑えたいので、また同じことをしてしまいそうな気がします。今回の反省から、せめて航空券を買う時に到着時刻と最寄駅までのアクセスは余裕をもって事前に調べておこうと思いました。
次に参加する学会は日本心理臨床学会。神奈川県での開催なので、一安心です。日本心理臨床学会も頑張りたいと思います。
【深谷からのご報告】
・2017年7月、ブレイン・スポッティング・インスティトゥート日本の「ブレインスポッティング(BSP)Phase1 トレーニング」を修了しました。
・2017年9月、日本TFT協会の「診断レベルトレーニング」を修了しました。
・BSPやTFTに関するご質問は、カウンセリングの際にお尋ねください。※紫藤クリニックのホームページにも簡単な説明を記載してあります。
【子どものうつ病】
こんにちは。院長の紫藤です。
“子どもは小さな大人ではない”― 学生時代、小児科の授業の初日に学んだ言葉です。子どもは絶えず成長の過程にあり、精神も例外ではありません。特に思春期は自我の確立、アイデンティティの形成など、とても重要な時期になります。
勤務医の頃は、子どもの精神疾患を診る機会はほとんどなかったのですが、開業して小学6年生の就学相談と中学校の精神科校医を引き受けてから、子どもを診る機会が増えてきました。しかし10歳以下を診る機会はほとんどないので、自分では小6以上を自分の守備範囲と考えています。
子どもの精神疾患では発達障害とうつ病が代表的なものですが、ここではうつ病について書きたいと思います。
子どものうつ病は、思春期に発症することが多いのですが、最近は小学生にも増えているという報告があります。その症状は、感情面では気分が落ち込み、悲観的、絶望的になってきます。自分を責めるようになり、ひどいときには死にたくなったりします。行動面では何をするのも億劫になり、閉じこもりがちになります。身体症状としては疲れやすさ、不眠、食欲不振が多くみられるほか、早朝覚醒や気分の日内変動もよく見られます。
子どものうつ病の特徴は、大人と比べて性格や生活環境などの要因が複雑に関係しあって発症するということです。特に、進学、進級、転校、転居、いじめを体験した時などは注意が必要です。子どもは言葉を十分に使いこなせないため、自ら精神的な苦痛や不安を親に訴え、救いを求めることは多くありません。多くの場合、学校に行けなくなったり、話をしない、動きが鈍い、いらいらする、攻撃的になるなどの行動異常として現れたり、頭痛、吐き気、食欲不振、便秘、下痢などの身体症状として現れたりします。
うつ病治療のポイントは、子どもと家族に病気について説明し、治療の方針として薬物療法と精神療法を行っていくこと、休息が不可欠なこと、叱咤激励しないこと、回復するまで重大な決定をしないことなどを説明し、自傷や自殺をしないことを約束させることです。薬物療法としては抗うつ薬が用いられますが、効果発現までに1~2週間かかるので、中断しないことが肝要です。
うつ病との鑑別が必要な疾患は沢山あります。統合失調症、境界性パーソナリティー障害、ASD・ADHDなどの発達障害、適応障害、また身体疾患でもうつ病の症状が出現することがあります。また、うつ病と不安障害との合併も多く見られます。
子どもの精神疾患の診たてはとても難しいですが、何と言っても子どもは人生の萌芽期にいます。医師には親や教師のような役割を求められることもあります。私たち治療者は彼らの成長を温かく見守っていく姿勢が大切であると思います。
【お知らせ】
〇12月28日(木)から1月4日(木)まで、年末年始休診とさせていただきます。年始は5日(金)から診療を開始します。
〇処方箋の発行を受けたら処方内容に間違いがないかを確認し、できるだけ早めに調剤薬局に提出してください。処方箋の有効期限は発行日を含めて4日間です。この間に提出ができない方は、処方箋の有効期限を延ばしますので、受付に申し出てください。