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シドクリ通信第109号

【最近思うこと】 院長 紫藤昌彦

 6月の診療報酬改定で、精神科診療所の点数が大幅に引き下げられました。引き下げを補うべく「加算」が新設されたのですが、算定要件が余りにも複雑で、どうやっても要件をクリアすることができないのです。結局、加算の算定は諦めて、甘んじて減算を受けることにしました。

 ある試算によると(当院など)精神保健指定医の精神科診療所は4%強の減算になり、非指定医の診療所は7%強の減算になるそうです。診療報酬が下がった背景として、フランチャイズ・クリニックの存在があります。診断書があれば休めるという情報が広がった結果、診断書を乱発するクリニックが出てきて、その対策のための改定だったようですが、それが一般診療所の存亡に関わるレベルにまで及んだようです。嗚呼!

 気分を一新すべく、私は札幌の日本精神神経学会に参加し、一番広い会場でロボット研究の現状を聴講しました。「傾聴対話ロボット」「ハグするロボット」などは実用性が高く、またロボット治療は転移・逆転移からも開放されます。「相性が合わない医師よりはロボットの方が良い」との話には言葉も出ませんでした。

 「不登校・ひきこもり支援にメタバースをどう活かすか」では、アバター・コミュニケーション、メタバース学校などが紹介され、とうとうこんな時代がきたのかと思いました。しかしこれは心理の先生方が関わっているMCRの活動にも使えるかも知れません。精神医学にはまだまだ魅力的な世界が広がっていることを実感しました。


【高野山旅日記】 医療事務 村上陽子

 和歌山県北東部にある高野山へ観光を兼ねてヨガツアーに参加してきました。

 高野山は平安時代初期の816年、弘法大師・空海により、真言密教の根本道場として開かれた所であり、 2004年には「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコ世界遺産にも登録されました。以来、諸外国からの観光客も増えていて、 私が泊まった宿坊も、ほぼ外国からの宿泊客でした。

 高野山は、実は山の名前ではなく、八つの1000メートル級の峰に囲まれた標高800メートルの盆地状の台地です。 東西およそ6キロ、南北3キロに広がるその地には、かつては千以上、現在は117の寺院が建ち、まさに天空にそびえる仏教都市の様相です。

 見所としては壇上伽藍(開創時 空海が最初に造営着手した真言密教の修行場)、金剛峯寺(真言宗の総本山)、奥之院(空海の御廟がある)があげられますが、どこも見応えがあり興味深く拝見しましたが、高野山の標高と自然の豊かさ、神聖な雰囲気という点では、奥之院という場所が、ひときわ凛とした空気に包まれているように感じました。 奥之院は空海が入定した後、今なお祈り続けていると言われる御廟があり、御廟へ続くおよそ2キロの参道は、杉の大木が空を覆うように茂り、昼も日差しが遮られ、樹齢800年にもなる老木や大樹もあるとのこと、長い歴史の歳月を感じさせます。参道の両脇には織田信長、豊臣秀吉など数々の戦国武将、皇族、歴史上の著名人から無名の庶民まで約20万基といわれる供養塔、そして墓碑が並んでいます。 古の人々はどんな思いを持って、遠く離れた山上にある高野山へ訪れたのでしょうか。高野山と大師空海への信仰なのか、墓碑がある祖先への供養なのか、あるいは自身の願いや祈り、非情な世からの救済を求めたのか、、、 1200年経った今、「祈り」とは? 私のように、こうして旅行ができる健康な身体があり、楽しめる心の余裕のある人がいる一方で、 戦争が止まない国があり、自然災害で被災する地域があり、世界のそこかしこで、困難な状況に苦しんでいる人達がいるという事実。 自然の恵みに感謝し、諍いなく皆で少しずつ分け合えるような平和な世に、人々が健康で幸せな生活を営めることを願わずにはおれませんでした。

 そして最後に、ヨガについても少し。 ヨガは仏教とともに伝わったと言われ諸説ありますが、大師空海が密教の修行「瑜伽(ゆが)」として広めた、という説があります。 ヨガは、アーサナ(ヨガポーズ)を一連の流れの中で繰り返すことで、頭で思考する事から解き放たれ、身体感覚や五感が研ぎ澄まされ、動く瞑想と言われることもあります。 宿坊の本堂で、大の字になり寝転がると(シャバーサナというヨガポーズ)、床に全身をあずける心地よさを感じ、頭は空っぽ、ただただリラックスしているのを味わい、それはとても至福の時間でした。

 観光と大好きなヨガまでも満喫する欲張りな旅行となりました。慌ただしい日常の時間と普段の生活の場所から離れると、視座が変わるというのか、普段当たり前だと思うことも、実は非常に恵まれている状況なのだと実感できました。「足るを知る」ですね。クリニックの皆様、休暇をありがとうございました。


【おわりに】

  今号では、当院で長年医療事務を担当している村上陽子さんに寄稿をお願いしました。私もコロナ前は医師会のヨガ同好会に参加していたのですが、コロナ禍で中断してからはご無沙汰しています。最近、怒り心頭な出来事が続きましたので、私も高野山に思いを馳せ、お釈迦さまの御心を頂戴し、心穏やかに診療に臨みたいと思います。


【お知らせ】

・当院は予約制です。初診の方は電話かホームページで、再診の方は電話、窓口、予約サイトで予約してください。当院の電話は8時45分からつながります。最近、予約が混んできましたので、受診日が決まりましたら早めに予約してください。

・当院は保険医療機関です。初診時と毎月受診時には必ずマイナカードをご提示ください。お持ちでない方は保険証でも結構です。自立支援医療をご利用の方は、受診の都度、受給者証をご提示ください。コンサータを処方されている方は、必ずコンサータカードをご提示ください。

8月26日(月)から31日(土)まで夏季休診とさせていただきます。

2 Comments


メイちゃん 大好き
メイちゃん 大好き
Aug 17

こんな事される謂れは一つもありません!(障害があって出来ないことがたくさんある中で)一生懸命生きてきたのにどうしてここまでひどい仕打ちを受けなければいけなかったのか?

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メイちゃん 大好き
メイちゃん 大好き
Aug 10

村上陽子さん?そんな事務員いたっけ?市役所なんかもカスハラ対策にフルネームを名乗らせない時代に実名で書くか?長く勤めているってことは、もしかして私がジドクリ追い出されてから、手のひら返したように私からの電話をガチャ切りしたあの眼鏡の中高年女性?な、わけねえよな。彼女は東電の総合職と一件40円で請け負う委托検針員の区別が出来ないレベルだから、空海だの最澄なんかについてコメント出来る訳がないから。よってこれは架空の人物、あの原稿のゴーストライターは紫藤昌彦院長に他なりません。

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