シドクリ通信第84号
【公認心理師について】
みなさんこんにちは。当院臨床心理士の深谷です。すっかり暖かくなってきて気持ちよい日が続いていますね。
世間でも話題になっているように、心理の国家資格として『公認心理師』が認められます。公認心理師資格によって、心理士の様々な体制が変わっていくことが予想されますが、私が個人的に期待しているのは公認心理師のカウンセリングに診療報酬が加算されることです。医療機関や民間機関でのカウンセリングの相場は、自費で1回7,000円~10,000円前後となっている印象です。高額になるため、誰もが継続して受けることができるわけではありません。医療機関での心理士のカウンセリングが保険点数に加算されれば今よりももっと安価になるので、多くの方々により良い医療サービスを提供できます。
私は現在、EMDRや認知行動療法を中心にしてカウンセリングに取り組んでいますが、その他の様々な心理療法も実証研究で効果が確認されているものがたくさんあります。そのようなエビデンスのある効果的なカウンセリングを安価に提供できる体制が整うのを臨床心理士として期待しています。それと同時に、公認心理師資格が広まった後も、引き続き自己研鑽を怠らずにカウンセリングの質を保持していきたいです。
【『統合失調症日記』を読んで】
今回、紫藤先生のススメで、木村きこりさんの『統合失調症日記』を読ませていただきました。本書は統合失調症のエッセイ漫画になっていて、合間合間に医師の解説を挟みながら、統合失調症の体験を身近に感じられるように描かれています。コミカルに描かれていて、とても読みやすいです。
発症からその後の経過を通して、ご本人が症状と付き合いながら人生を力強く歩む様子には感慨深いものがあります。内容を書いてしまうと差し支えがあるので伏せますが、中でも幻聴とのやりとりが私は好きでした。
本書が多くの人々の目にとまり、当事者の方々に希望を与え、世間の統合失調症への理解が広がることを願います。
【深谷からの報告】
・2017年12月、ブレインスポッティング・トレーニング・インスティテュート主催のブレインスポッティング(BSP)Phase2 トレーニングを修了しました。
・2018年1月、国立精神・神経医療センター精神保健研究所災害時こころの情報支援センター主催の平成29年度PTSD対策専門研修基本コースAを修了しました。
【プーシキン美術館展】
こんにちは。院長の紫藤です。快晴の木曜日、上野に行ってきました。目的地は東京都美術館。患者さんのYさんオススメのプーシキン美術館展が開催されているからです。プーシキン美術館はモスクワにあって、フランス絵画コレクションで有名な美術館だそうです。
私はいつも美術館に行くと、自分の気の向くままに解説文も読まずにブラブラと見て回るのですが、今回初めて音声ガイドを希望してみました。ヘッドホンを頭につけて入場すると、そこから流れてくるナレーターの水谷豊さんと上坂すみれさんの声が絵の背景を解説してくれて、心地よい音楽と相俟ってフランスの各地を旅しているような気分になりました。私は特にモネ、ルソー、ルノワール、セザンヌ、ゴーギャンの絵が気に入りました。
手軽にフランス旅行を楽しみたい方は、是非行ってみてください。パンダで賑わう動物園とは異なり、ゆったり見られると思います。7月8日までの開催で、手帳をお持ちの方とその付添いの方1名までは無料となります。
【浅利先生のクリニック】
美術館のあと、上野から上野東京ラインに乗って川崎に行きました。川崎駅で深谷先生と落ち合い、浅利知輝先生が新規開業されたクリニックに向かいました。
浅利先生は2000年から2年間、当院で診療を手伝ってくれた精神科医です。勉強熱心で、各種心理技法を幅広く習得し、医師としては貴重な存在です。トラウマ治療を得意としていて、深谷心理士の目指す方向と極めて似ているので、今回の訪問は両先生を引き合わせる意味もありました。
しかし案の定、お二人は同じ学会や研究会で何度も顔を合わせており、お互い何となく知り合っていたとのこと。世界は狭いと思った次第です。
浅利先生のクリニック「マディヤーマ・メンタルクリニック川崎」のマディヤーマとはサンスクリット語の「中道」という意味で、クリニック名はここから名付けたそうです。極端な思想に偏らず、相対立する考えの間でバランスを取ろうとする姿勢を指すとのこと。先生の目指すコンセプトにぴったりのネーミングだと思いました。神奈川県方面でトラウマ治療やEMDRを希望する方にはオススメのクリニックだと思います。
【お知らせ】
・保険証は毎月提示してください。変更があった場合は受付までお知らせください。
・自立支援医療をご利用の方は、受診の都度、受給者証を提示してください。
・自立支援医療をご利用の方で保険証が変更になった場合は、お住いの地域の保健センターや役所への届出が必要です。
・処方箋の発行を受けたら処方内容に間違いがないかを確認し、早めに調剤薬局に提出してください。処方箋の有効期限は発行日を含めて4日間です。この間に提出ができない方は、処方箋の有効期限を延ばしますので、受付に申し出てください。
・学会出張のため6月20日と22日午後は休診とさせていただきます。