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シドクリ通信 第78号

December 1, 2016

石巻で考えたこと

 

 10月26日夜から27日にかけて、石巻に行ってきました。2011年3月11日の東日本大震災直後、初めて石巻を訪問して以来、私は年に1回程度、この地を訪れています。

 診療は休めませんので、いつも水曜日の診療終了後に東北新幹線に乗り込みます。仙台のホテルに一泊して、木曜日の早朝に石巻市の支援施設に移動するのです。

 支援施設は震災後のこころのケアを目的に設立され、被災地で精神保健活動を行っていますが、私の所属する精神科医療団体が組織的にここの支援をしているのです。ワゴン車に救援物質を積んで仮設や復興住宅を回ったり、施設で相談事業やミーティングを行ったりしています。今回は仙石線が全線開通したこともあって、初めて水曜日のうちに石巻入りしました。

 木曜日は早起きして、市内を散策してみました。繁華街の立町を抜けて、日和山公園に上りました。津波の時に多くの人々の命を救った高台の公園です。海の方は建物がほとんどなくなり、日和大橋の向こうに太平洋が広がっていました。公園では高齢者が数人、ラジオ体操をしていました。急な階段を下りると門脇町に出ます。川の中瀬にある石ノ森萬画館を右手に見ながら、護岸工事中の旧北上川沿いを歩き、宿泊先のホテルに戻りました。

 施設はこの春、新人が数人入り、若い息吹に満ちていました。ハロウィンの仮装をしたスタッフの姿に歓声が上がり、働きやすい職場の雰囲気を感じました。ケースから持ち込まれる相談内容は、時間の経過とともに非日常から日常へと変わってきており、私たちに求められる役割も変わってきていると感じました。

 私は定期的に石巻に行かせていただいたことで、震災から復興に至る道筋が何となく理解できたように思います。これは、トラウマを受けた人が回復する道筋と重なるものがあります。大震災直後の石巻の凄まじい光景を思い出すと、5年半余りでこれほどまでに回復した石巻に感動を覚えます。これが私にとって被災地支援の最大の収穫です。

 災害はいつ私たちの身に起こるかわかりません。今年になってからも、熊本地震、桜島や阿蘇山の噴火、鳥取県中部地震などの自然災害が続いています。現在、東京都は精神科の災害対策チームの立ち上げに向け、関係部局との協議を開始しました。近い将来、自らが被災者になった時、石巻支援の経験が多少なりとも生かされ、回復を信じられる自分でありたいと願っています。

 

ポジティブなコミュニケーション 2

 皆さま、こんにちは。臨床心理士の深谷です。今回は第77号にひき続き、良好なコミュニケーションのコツをお伝えしていきます。

 ポジティブなコミュニケーションスキルはCRAFT(Community Reinforcement and Family Training)が発祥です。CRAFTとは、もともと依存症の方がいる家族に対して行われ始めたもので、依存症の本人が医療機関に受療する意欲を高めるために、家族がコミュニケーションスキルを学ぶものです(※コミュニケーションスキル以外にもいくつか学ぶのですが、ここでは割愛させていただきます)。このコミュニケーションスキルは、誰もが日常生活で使うと役立つものだと思うので、ここでご紹介させていただきたいと思います。

 <③ “具体的な行動を言う”>

 “具体的な行動を言う”スキルは、具体的に相手の行動を指して伝えるというものです。

 

  例えば、「あなたは本当にダメね」という伝え方は具体的な行動を指していません。そのため、何が良くなかったのか相手に伝わりにくい上に、相手は全てのことを否定されているように感じやすくなることが多いです。
反対に、“具体的な行動を言う”スキルを使うと、「あなたが○○したことはよくなかったよね」といった伝え方になります。このような伝え方であれば、具体的に何が良くなかったのか相手はわかりやすいですし、全てを否定されている印象は受けにくいと思います。さらに、第77号で紹介した“ポジティブに”スキルを加えると「あなたが○○すると私は嫌な気持ちになるから、次から□□してくれるかな。」というような伝え方になります。

 <④ “自分の感情を言葉にして伝える”>

 ‟自分の感情を言葉にして伝える“スキルは、感情を表に出すという意味ではなく、感情を示す単語(嬉しい、悲しい、不安、寂しい等)を言うということです。

 例えば、「なんなの!あなたはどうしていつもいつもそういうことするの!」というのは怒っているはなんとなくわかりますが、それを言葉にはしていません。相手によっては、怒っていることすらわからなかったり、どんな思いで言っているのか伝わりにくかったりします。“自分の感情を言葉にして伝える”スキルを使うと、「あなたが○○すると、私は悲しくなって、わかってもらえていないと思って腹が立ってしまうの。」といった伝え方になります。これだと感情が相手に明確に伝わりやすいですし、相手も受け止めやすいかもしれません。“ポジティブに”スキルなどと組み合わせてもよいでしょう。

 いかがでしたでしょうか。普段のコミュニケーションは癖のようなもので、新しいコミュニケーションスキルを身につけるには時間と練習が必要なのでなかなか大変です。ですが、良好なコミュニケーションを作るために、好奇心を持って練習してみていただけたら幸いに思います。

 

お知らせ

 ・12月29日(木)から1月5日(木)まで年末年始休診とさせていただきます。

 ・保険証は毎月提示してください。
 ・保険証に変更があった場合は、すみやかに受付までお知らせください。
 ・自立支援医療をご利用の方は、受診の都度、受給者証を提示してください。

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