top of page

シドクリ通信第97号

【はじめに】

 長引くCOVID-19の感染拡大は私たちの生活に多大な影響を及ぼしていますが、それに加えて最近はあちこちでゲリラ豪雨による災害が起きています。

 感染症と災害は似たところがあります。10年前の東日本大震災は私たちの常識を遙かに超えた大災害で、1万5千人以上の方が亡くなりました。災害はすべてを一瞬のうちに破壊させる恐ろしさがありますが、今回の新型コロナ感染症は持続する災害のようで、感染という見えない厄災が連続して広がっていく恐ろしさがあります。新型コロナで亡くなった方は日本では1万5千人、世界では400万人を超えました

 感染力の強いデルタ株の拡大などまだまだ予断を許しませんが、一刻も早い収束を願っています。


【配られたカードで勝負するしかない】

 スヌーピーはアメリカの漫画「ピーナッツ」に登場する犬のキャラクターです。スヌーピーの言葉は人間の本質を突いた名言が多いことで知られていますが、その中の一つ「配られたカードで勝負するしかない」をご存知でしょうか。下記の会話の中に出てきます。

 ルーシー:時々、私はどうしてあなたが犬なんかでいられるのか不思議に思うわ。

 スヌーピー:配られたカードで勝負するしかないのさ。それがどういう意味であれ。

 配られたカードに文句をつけることはできません。「もっと勉強ができたら、もっと良い学校に入れたのに」「コロナさえなかったら、就職がうまくいったのに」などなど、人は自分にないものを求めます。しかし、自分の身を悔やんだってしょうがない。今の自分にできることしかできないのです。スヌーピーの身になって考えてみたら、犬として生まれたことはどうにもならないこと。犬は犬なりに精一杯生きていくしかないのです。

 「配られたカードで勝負する」とは、「ありのままを受け入れる」という意味がありますが、「そのカードを有効に活用する」という意味もあります。カードの中にジョーカーが含まれていたからといって、必ずしも悪い手とは限らない。悪いカードも使い方次第です。運命は変えられないけど、個人個人の努力で局面を切り開く可能性はあるのです。

 先の見えない時代だからこそ、私たちは慌てずうろたえず、虚心坦懐に身の丈に合った生き方を目指したいものです。


【ワクチン接種】

 新型コロナのワクチン接種が本格化し、若年者にもクーポンが届き始めているようです。ワクチンに関する患者さんからの質問は、①副反応の問題②飲んでいる薬との併用の不安③当院で接種できるかどうか(残念ながらできません)の3点が多いと思います。ワクチンによる筋肉痛や発熱の副反応が知られていますので、痛みや発熱に有効な解熱鎮痛剤のカロナール(アセトアミノフェン)の処方を希望される方が多くいます。そのためカロナールの在庫がなくなった調剤薬局も出ているようです。

 日本政府はワクチンを「新型コロナ対策の切り札」と位置づけていますが、ワクチンの供給不足は深刻です。いくら切り札でも、届かないことには打つことはできず、ワクチン接種の現場は混乱しているようです。


【単調な日々】

 コロナ禍は2年目の後半に入りましたが、緊急事態宣言がこれほど何度も繰り返されると、「緊急」が「緊急」でなくなり、「日常」に変わってしまったように思います。

 クリニックは幸いにも感染事故を起こすことなく過ごしていますが、私は毎日、自宅と職場との往復と、web会議ばかりの単調な日々を送っています。同業者との集まりはほとんどなく、友人・知人との飲み会もまったくありません。ヨガ同好会の再開もなく、夏に入ってマスク生活も辛くなってきました。もとよりそんなに変化に富んだ日常を送っていたわけでもなく、日々の生活は単調だったのですが、今は砂漠の中を彷徨っているような先の見えない単調さです。

 時間があるので、勉強したり、読書したり、研究論文を書いたりしたら良さそうに思いますが、なかなかやる気がしません。仕事が終わって家に帰るとソファーに横たわり、お酒を舐めながらネコを触って、今日のコロナのニュースを見るくらいの味気ない生活。

 ところが7月23日から東京オンピックが始まりました。医療団体や国民の多くが反対していたにも拘わらず、政府は強行しました。メダルを獲得したアスリートには心より敬意を表しますが、お祭り騒ぎと自粛は矛盾します。私は人々の無事を祈りながらオリンピックを眺めています。


【お知らせ】

・当院は保険医療機関です。初診時と毎月初回の受診時には、必ず保険証をご提示ください。自立支援医療をご利用の方は、受診の都度、受給者証を提示してください。

8月20日(金)から25日(水)まで夏季休診とさせていただきます。

・新型コロナウイルス感染対策として、当院では待合室に手指消毒剤を常備し、受付にアクリル板を設置し、診察室は3メートルのsocial distanceを遵守し、換気を徹底し、必要に応じて検温を実施しています。変異株の感染予防には換気が重要と言われておりますので、夏場に入り暑いですが、換気には気を付けています。

待合室が密にならないように、時間通りの診療に心がけていますので、ご協力をお願いします。

Comments


特集記事
後でもう一度お試しください
記事が公開されると、ここに表示されます。
記事一覧
アーカイブ
タグ
まだタグはありません。
Follow Us
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page